jugaadia

「Jugaadia」とは

聞きなれない響きのJugaadia.

ジュガード(Jugaad)は、ヒンディー語で革新的な問題解決の方法という意味があるそうです。

Jugaad Innovation: Think Frugal, Be Flexible, Generate Breakthrough Growth に少しわかりやすい、6つの要素があります。

  • 1. Seek opportunity in adversity/逆境の中でも機会を探してみる
  • 2. Do more with less/少ない投資で最大の効果をえる
  • 3. Think and act flexibly/柔軟に考え行動する
  • 4. Keep it simple/モノゴトをシンプルにする
  • 5. Include the margin/忘れられてる・主流ではない人々のことも考慮
  • 6. Follow your heart/自分の思いに正直になる

平く言うとその精神は「もったいない」、「あるものでなんとか工夫して乗り切る」、「多くの人と共感する」という意味合いがあって、イノベーションに繋がる考え方だと思っています。その「Jugaad」に地名接尾語「ia」を付けてみました。接尾語「ia」は場を表しています。つまり、少ない資源でも創意工夫でより良いモノや人間関係を作っていく「場」を表現しています。


私はインドに二回旅をしました。
一度めは成田からムンバイに夜、飛行機で入って、そこからジョドプールに移動してジャイサルメル、ジャイプールというラジャスタン地方を車と運転手をチャーターして廻りました。カラーシティと呼ばれるそれらの都市の文化や歴史的建造物はそれは素晴らしいものでしたが、一番心に残るのは道中の小さな町の人々や村の農家の庭でお手伝いする子供たちや丁寧に石積みをしている人、止まってしまった車を全員で治そうと人が集まっていたり、オールドデリーで混沌の中にも熱いエネルギーを感じる瞬間でした。

二度目は南インドへ。コチという町からケララ州の湖沼地帯のへ。湖沼は水濠のようになっていて、チャイニーズフィッシュネット という巨大な網をてこの原理で上下させて魚を獲っていました。

そこから紅茶の茶葉を栽培する高原地帯へ。茶葉を摘み取るのは女性の仕事です。全て手摘みで傾斜のある茶畑を行ったり来たりとかなりの重労働だと思います。
一方、再び訪れたジャイプールでは素晴らしい布の数々、オールドカンタやパシュミナの染めや刺繍の手仕事に感銘し、湖の町ウダイプール では湖に浮かぶパレスホテルで何代も続くガラス工芸の職人が壁や梁を手直しする技術に目を見張るものがありました。

2度のインドの旅を通じてインドの全てがわかったとは思いませんが、少なくとも自身を省みる機会をもらえたことは大きな出来事になっています。
「Jugaadia」の最初のプロジェクトは奈良県吉野町での古民家再生です。
旧伊勢街道沿いの上市地区でおよそ100年前の古民家を吉野町、吉野町の周辺の職人たちと、なるべく地元の素材、吉野檜や吉野杉、吉野和紙、漆喰材等を使って昨年の秋から修復・再生作業をしています。私は月に1度くらいしか現地に行けないのですが、間接的にも直接的にも少しずつ繋がりができて、その新たな繋がりに、知恵を出し合ってくれることに、励ましてもらうことに日々感謝の気持ちでいっぱいです。

「善い目的」を持ち、「人々とともに共感し」、「大量生産には乗らない資源」や「普段は眠っているようなやり方や技術」でともに何かをする「場所」となることが願いです。明確な形はないけれど、この「場」に入れ替わり立ち替わり様々な人が集い、楽しみながら創意工夫で少しでも社会が良くなっていってくれることを共に行う仲間を随時募集中です。「Jugaadia」の精神で小さなイノベーションを起こす場になって行きたいと思っています。ご興味のある方はぜひご連絡ください。

まずは、吉野町での古民家再生の様子や吉野にまつわる様々なことを忘れないうちに拙くても残していく予定です。

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Profile

長濱香代子Kayoko Nagahama

KNGDC(株)代表 Jugaadia主催
同志社大学卒、卒業後IT企業でのシステムズエンジニアをへて、インテリアとガーデンの会社を設立、2011にガーデンやランドスケープに特化した現事務所を設立、現在東京と軽井沢の二拠点生活で、庭園の設計と施工、管理を行っています。軽井沢では畑で祝根草や小果樹などの自らが作庭に使用する植物を栽培、耐寒性の検証を行っています。小屋やコンポストトイレを実験的に制作中。
カヤッカーでありテレマーカー、時々岩登りとトレッキング、植物の自生地を求めて世界の辺境地に赴くことに幸せを感じます。
小学生の頃のなりたい職業は考古学者(笑)古いモノの持つストーリーに惹かれ旅先では必ず骨董街を覗きます。学生時代を過ごした京都の北野天満宮の天神さんで900円の縁の欠けた古伊万里の蕎麦猪口を買ったこと。今でも軽井沢で大切に使っています。